2012年2月23日木曜日
「新しい働き方」ができる人の時代(食べる読書82)
いろんな人が今後の社会や働き方など未来に関して彼らなりの視点でそれぞれの本で語っている。
これまでそういった人たちの本を少しは読んでいたし、自分でも今の社会から今後どうなるのかなど考えていた。
だから、本書の内容は特に目新しい部分はそんなに多くはなかった。
しかし、ここまで体系立ててはっきりとわかりやすく論じているのは初めてであった。
実用的な働く際の考え方がある。
納得はする。
実際、世の中はもうこのような働き方に移行している段階だ。
だけど、欲を言えば、なぜこの働き方なのかをなぜ大多数の人が見いだせないのか。そこを明確にしたい。つまり、この社会の変化を見極め、己も変わるという大事な能力を身につけることに関しては言及していないのだ。結局、著者のような優秀な人に従うことでしか人々は自分の身を守れないのか、と思ってしまう。すばらしい考えだが、結局は対処療法でしかないんじゃないか…と。
今の変化を産み出したのは、まぎれもなく我々なのだ。グローバル化、中東の民主化、中国・インドの台頭…。自ら生み出した変化に対応できずに右往左往するのか?バカなんじゃねぇ?と思ってしまう。コントロールできていないんじゃないかと。己自身を。ただ反応しているだけなのでは。
これが、いま人類が直面している課題であるととらえる。
そういう意味で、本書の内容は直接的な解決にはならない。しかし、そこへ導く一つのヒントを与えてくれる気がする。
以下抜粋
管理にたけた人間が上層部を占めると、クリエイティブな仕事はとたんにスローダウンしてしまう。
市場・競合分析も必要ないし、自分探しも必要ないし、会社を辞める必要もない。
まずは会社の外へ出て、システムの外で生きている人たちに出会うことだ。そして、その人たちがどんな未来を見ているのか、感じるのだ。
今は固定費を抱えた組織に頼むよりも、柔軟に動ける個人とつながれる方がよほどスピーディに仕事が動く。
成功者が成功する理由は、学校教育のおかげだけではない
組織のかなめになるようなユニークな生き方を選べば、嫌われることだってあるでしょう。
工場で行われる単純労働においては、自分の領分以外に手を出すのは確かに危険なことですが、今の会社で必要な存在なのは、「やるべき仕事を自分で見つけてできる人」だけなのです。
チャンスは「組織に必要不可欠な存在」になったときにやってくるのです。
私はこれまで、組織のかなめとして活躍する、才能豊かな人たちと一緒に働いてきましたが、彼らがその他大勢と違っているのは「自分で自分を縛る考え方にとらわれていない」という、その一点に尽きる気がします。
チャンスをつかむには、ルールを変え、アプローチを変え、時には物の見方そのものを変えなければなりません。
もちろん、優秀な教師がいないわけではありません。そのような教師はちゃんといて、組織のかなめになれるような人間を育てようと必死に努力しています。問題は、”個性的でユニークな存在”を疎外し、官僚的な人間に厚く報いるシステムにあります。
現在、大きな価値をもっているのは、知識にもとづいて優れた判断ができる人です。
組織のかなめになれる人たちは、地図のない状態でも新しい道を探して、うまくやっていくことができます。
「前線にいる人間ほど、組織全体のイメージに大きな影響力をもっている」
創造し、人に与えるという行為そのものが、価値のあることですし、行動すればまわりの態度も変わってくるからです。
アーティストとは、洞察と創造性、現状を変えていく大胆さを兼ね備え、自ら挑戦していく人のことです。
「表現とは、他者にプラスの影響を与える行為である」
アーティストは自分が生み出した価値が自由に広がっていくことを望み、それを妨げるような見返りは求めません。
私のいう表現とは、仕事を通じて人々に影響を与えていく行為、つまり、物事の本質を見極めて、新しいイメージや体験、コミュニケーションで市場を変えていくことです。
「情熱や熱意は、対象がないと存在しない」のではありません。「情熱をもっている人が対象を見出す」のです。
一番大切なのは、どんな職種を選ぶかではなく、「どのような仕事をするか」なのです。
創作物は、形になって人に届いた時点で価値が生じます。
ベンチャー企業が新しい市場で大手企業より成功しやすいのは、意思決定に関わる人が少ないために協調しやすく、検討作業における混乱が起きにくいからです。
人間は本当にやるべき行動ではなく、刹那的に気持ちのいい行動を選んでしまうことがあります。
悪いアイデアでも気にせずにどんどん思い浮かべられるようになると、いいアイデアを思いつくのは驚くほど簡単になります。逆にいえば、まずいアイデアやリスクのあるアイデアを避け続ける人には、どんな発想術の本も役には立たないのです。
爬虫類脳は巧妙に人を操り、組織に適応させて目立たない存在にするか、失敗させて大それたことができないようにするのです。
爬虫類脳が働いているのは、たとえばこんなときです。
・期限を守らない
・「完璧にしたいから」と言い訳し、先延ばしにする
・アイデアを煮詰めない
・お金がないことを口実にする
・情報集めに執心する
・自分の仕事のハードルを必要以上に上げる
・インパクトのない月並みなものを意図的につくる
・平凡な仕事をする
・完成に向かっていると気づくと、それをやめる
何かをしようとしたときに抵抗や恐怖、疑念がわいてきたら、やる価値があるという証拠です。
心理的抵抗を感じる方向に進んでいきましょう。自分の中の埋もれていた資質が形になってくるほど、この抵抗は大きくなります。
どうにもならないことは受け入れてしまい、不毛な考えにとらわれないようにすることが肝心。
上司からの批判に耐えられず、余計なことをいいそうになっても爬虫類脳を喜ばせないことです。不安と共存できるようになるほど、人間は精神的に強くなります。逃げ出したくなる衝動に静かに耐えられる人は、周囲から信頼されるようになっていきます。
「利他的に振る舞えるのは、すでに成功して、あり余るほどもっている人だけでは?」と思うのは間違いです。逆説的ですが、実は世界でもっとも成功しているのは、お金を目的にしていない人たちなのです。
この社会でもっとも大きく変わったことは、「自分で決める必要が出てきた」ということかもしれません。
苦しさを乗り越えて登り続け、高みにたどり着いた人だけが、豊かな経験打たれ強さを身につけていきます。
彼らは都会育ちの本学の軟弱な青年百人分の価値がある。今を生きることに徹し、仕事が身につかなかったと恥じることもない。人生を先送りにすることなく、しっかり生きているからだ。
優れた企業は、目的意識をもち、友好者たちの集団が結束して一つの方向に進み、成果を生み出していきます。
顧客や取引先と関わり合うすべての人間が、それぞれにリーダーシップを発揮してマーケティングを行っていかなければなりません。
人を指導するときに大切なのは「知識を与える」ことではなく、自分の「心構え」をその人に伝え、自分と同じ「自信」をもてるようにすることだ
市場がネットワークでつながり、競争が激化している現在、「そこそこ」のスキルの人はどこにでもあふれています。「特殊」能力は、生まれもった才能ではく、自分がやりたいことをやるという選択をすることで手に入るものです。
カギになるのは、自分の考えや企画に上司の賛同をとりつけ、サポートを得られる進め方を見つけて、意外でない形で意外性のあることを実行していくことです。
組織に拒絶されるのは、それが間違った考えだからではなく、今はまだその人にステータスや実績がないからです。
以上
またね***
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