歴史上最も売れているという「ワンピース」
生きる力学べるんだ~と思って読んでみた。
この本を読んでの率直な感想は、あまり面白くなかったということ。
言いたいことはわかる。が、わざわざここまで現代という時代の中で論じた割に結論はそんな目新しいものではなかったかなと感じた。
知的好奇心はあまり刺激されなかった。
単純に、ここまで売れているということは、この時代の要求をほか(エンタメ、政治、学校、ビジネス、社会生活など)の何よりも満たしているからだと考える。つまり、人々の潜在的要求に応えている。または、それを喚起している。
そして、漫画というスタイルからして、人々が求めているものは何らかの体験である。あるいは、その体験を通して得られるもの。なぜなら、漫画は疑似体験できるからである。ワンピースを読んでの疑似体験またはそれを通して得られるものが、人々の求めているものである。
漫画は一つの価値の表現手法である。
とするなら、
現実社会で得られない価値(それは行政が現実化することかもしれないが現実にできていない、それを現実にするのは家族かもしれないし、コミュニティーかもしれない、友人かもしれないし、自分自身の可能性もある、が実際には現実化していない)を唯一とは言わないまでも、最も疑似体験しやすい形にしたものがワンピースであるといえるのではないか。
現在、従来の価値観では対応できないことがいろんなところに出てきている。資本主義の行き詰まり、環境問題、少子高齢化などなど。そんな時代の中、それに対する一つの解決策として、「相互扶助」というキーワードは前から言われていた。そして、どうやらそれだけではどうにもならないなということに気づきいろいろ模索している。そんな中、自分の能力で食べていこうという方向に人々の意識も変わってきている。
現実の社会を観察すれば、ワンピースを通すまでもなく上記のことはわかる。が、こういったことを論じていると感じた。
確かに、著者の論じている視点から見ると、こういった現実社会への一つの回答がワンピースにはあると感じる。
が、問題はその先にある。
それを漫画による疑似体験ではなく現実社会で現実にするにはどうすればいいのかということである。
昔に比べて漫画の技術も上がってきた。それに伴い、表現の幅が広がり、多様な価値観を表せるようになってきたと思う(今はほとんど漫画は読んでいないが…)。
ということは、漫画の社会での役割の一つに、社会を構成する人々の潜在的要求を察知することがあるとはいえないか。いわゆる社会構築の際のマーケティングといった立ち位置かなあ。で、あとは行政や民間企業へ実際の現実化はバトンタッチする。そんな単純にはいかないだろうが、ワンピースの爆発的大ヒットがこういう理想の社会を構想する機会を与えてくれる。
いままで可能でなかったことが可能であるとわかっただけで結構未来の可能性は急激に広がる。
以上、自分の考えを述べてきたが、なぜ自分がこの本にあまり惹かれなかったのかはなんとなくわかる。
それは、私がそんなにワンピースが好きではないからだろう。正直、読んでて著者とのワンピースに対する温度差を感じざるを得なかった…。
でも、嫌いというわけではないですよ~!!!
ちなみに、ロビンのエニエスロビー編?が一番好きです♡
ワンピースに関する書籍が多く出版されている。マンガなのにすごい。
以上
またね***