2012年4月10日火曜日

世界経済図説(食べる読書87)




多様な視点から、簡単な資料付きで現在の世界経済に関してまとめている。


ただ紹介しているという形なので、何かしら目新しい思想だったり考えがあるわけではない。なので、文章は単なる説明に終始している。


しかし、自分がこれまで関心がなかった視点からも書かれているので、自分の嗜好が客観的に見れるかなと思う。


また、切り口はいろいろだが、そこから見えるのは世界的規模で見ているので、大いに視野が広がると思う。


以下抜粋

国家とは、一般的に、一定の領土とその住民を治める自主的な権力組織と統治権とを持つ政治社会で、国際的には領土、人民、主権を持つ独立の対象と認められているものをいう。


財やサービスの生産は、原材料、労働力、資本が揃って行われるものであるが、その効率を決めるものは技術である。つまり、技術は生産要素をいかに巧みに組み合わせて、効率的に品質のいいものを作るかという手法・技法である。したがって、技術は経済の発展・成長を左右するものである。


技術は本質的に普遍的なものであり、発展の成果は万人を潤すべきものである。しかし、現実にはそれが国際競争力を左右するものであるから、近代国家では、軍事機密と並んで民間技術の保護に意を払っている。


できるだけ少ない労働・資本・資材の投入でできるだけ多くの生産をあげる、といってもよいし、与えられた生産要素で生産を極大化するといってもよい。近代経済学では、「経済」をこの狭義の意味で使うことが多い。それは一面で計量経済学の進歩を促したが、他面、経済問題から歴史性や倫理性を捨象してしまったとも批判されている。


エネルギーは政治的商品の性格を持ち、経済的要因だけで国境を移動しているわけではない。


農畜林水産品貿易は、基本的に生存に関わるものが多く、また国内の農業との関係において政治性があり、さらに最近では環境問題と関連して、注目すべき貿易分野である。


関税や非関税障壁は、国内生産の確保、輸入の抑制を通じて国内産業・雇用を守ろうという目的、特に途上国の場合、いわゆる幼稚産業(インファント・インダストリー)を保護し、また衰退産業に調整のための時間を与えようという目的を持つものである。自由・無差別な貿易を理想とする自由貿易の下では、関税・非関税措置は慎重に運営すべきである。


一般的にいって、経済合理性に基づいた多国籍企業の活動は、一面では本籍国政府の保護を受けながら、他方では政治的・行政的な意味での”国境”の存在を崩しつつある。具体的には、モノ、サービス、資本、技術、情報の国境なき移動を活発化する担い手となっている。ただ、本籍国との結びつきがなくなるわけでなく、過渡的には強まりさえする。


WTOは従来のモノの貿易に加え、サービス、知的所有権などの分野を対象とし、紛争解決手続きの強化・改善が図られている。


為替レートは、市場経済にとって最も重要な価格である。各国の生産性が異なった動きをするといった経済的要因からばかりでなく、政治的要因によっても変動するから、それを「固定しよう」と考えるのは非現実的である。しかし、すべてを市場に委ねるのも問題である。きわめて持続的な通貨高は、物価安定には貢献するが、輸出産業の収益にはマイナスだし、逆に恒常化した通貨下落は、輸出の競争力を増すが、輸入物価の上昇をもたらす。したがって、通貨当局はその安定のために市場に介入し、そのとき外貨準備を使う。


農薬は作物や土地そのものを損傷するケースもあり、またコスト増の要因にもなっている。


マクロ的には肉類の消費が家畜用の飼料の増大を伴っていることである。飼料穀物の増加が、主食用の穀物生産を圧迫したり、そのため穀物の国際取引が増加していることである。”食”に関わる財貨の生産・消費・輸出入の問題が市場原理だけで律しうるものかどうか、WTOなどで議論されている。


エネルギーは人類共通の資産であるが、実際には主権を持つ異なった国家によって所有かつ生産され、他方、消費は生産国とは異なった国で多分に行われている。したがって、生産・消費をめぐって政治的利害が対立し、経済的には価格決定がこれまた政治的色彩を帯びる。かくして、国家利害が衝突しやすいだけに、逆に国際協調が不可欠なのである。


「他の国家やその政府の利害、不安、希望を認識することが必要なのである。”敵のイメージ”から出発する者には平和を樹立することはできない」


武器取引が冷戦終焉の後もつづいているのは、奇妙なことといわねばならない。特に軍縮の先頭に立つアメリカ、ロシアをはじめ、国連安保理事会の常任理事国たるフランス、イギリスでも武器輸出がつづいているのは、政策の整合性がない。おそらく、自国内の軍縮が進む結果、国内の武器市場が縮小しかねないという事態を恐れた軍需産業が、困難な民需転換よりも、輸出市場にその販路を求めていることが、実質的な動機であるように思われる。私企業にとっては、利潤を生むかぎりにおいては、武器も商品である。



途上国の中には、国防法支出がGDP比で見て非常に高いにもかかわらず、保健・教育支出が極めて低い国がある。これらの国は、武器輸入をすると同時に経済援助も受けいているのが一般的である。


経常収支は世界全体ではゼロだから、経常収支赤字国の問題は黒字国の問題でもある。大きな経常収支の不均衡は、是正に向けた努力をしないと長期に継続する可能性がある。黒字国は内需の振興を、赤字国はもっと貯蓄を高める必要がある。


アングロ・アメリカ型の特徴は、市場の機能を重視し、供給者の自由な競争と需要者の選択の自由と自己責任が求められる。望ましい政府とは、市場に介入せず、公正で効率的なこと。その一方で、ボランティア活動などが盛んである。


問題は、権威主義体制が崩壊した後の政治体制である。長期にわたる専制的抑圧によって、受け皿となる政党の基盤が不足している。部族、宗派間の対立を超えた民主的安定が求められている。


個人に社会的安定感を与えない限り、政治・経済の安定は得られず、国際社会への協力も期待できない。


冷戦終結による軍事費からの解放や、軍需から民需への転換は、一部の国を除いて進んでいない。武器の国際間取引は逆に増大している。「平和の配当」を確実にする方法を人々は模索している。


以上
またね***




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