2009年12月7日月曜日

不毛地帯

私はテレビを持ってないので、遅ればせながらドラマ「不毛地帯 DVD-BOX 1
」を見た。まだ4話までだけど…。

面白いし興味深い作品だなと楽しんでます。「白い巨塔 DVD-BOX 第一部
」と似てて、山崎豊子さんは、人間模様を描くのがうまいなと感じます。

4話まで見てて、自分なりに考えるところがありました。

やっぱり、人間は自分が司令塔にならないと幸せにはなれないなと。自分が主役なんだと。

この作品のテーマの一つに、“組織と個人”があると思う。その組織と個人の相いれない部分で、苦しみながらも自分なりの選択をしていく姿に多くの視聴者が共感するのかなと思った。でもねえ、そこで苦しんでる時点ですでに自分の人生において負けなんだよなあ。

この四話までの中で、私の思う人生の勝者は、”貝塚官房長”だな。悪者だけど。なぜか?答えは簡単で、自分の求めてるものがはっきりしていて、それを得る最も確実性の高いものを選択しているからである。全くぶれていない。ここは学ばないといけないところ。

ドラマの中で、久松長官が、壹岐に「泥水をずいぶん飲んだもんだな。」というシーンがある。久松長官も壹岐も人生において何を求めているんだろう?そこが彼らの言動からはあまりはっきりしなかった。ここでいう「泥水」というのは、家族からの信頼や親友の死、世間の評判だろう。これらを捨てていかないと目標は果たせない。その苦しさ。ここが“組織と個人”の問題としてみることができる。

が、こういう見方は適切でないなと観てて思った。


不毛地帯 DVD-BOX 1


ここで私の言う“組織”というのは、社会の仕組み・構造も含めてのこと。組織というのは個々人の集合体であるが、それぞれ役割は異なる。それは組織を存在させるために必要不可欠であるしそれ自体が組織ともいえる。また、その組織は社会の中では、ある特定の役割を果たす。ちょうど、個人が組織において役割を果たすように。
また、仕組みは一つの価値をこの世に生み出す役目もするし、その価値の存在を示すものでもある。たいていの組織はピラミッド型の仕組みになっている。それは、指揮・命令系統をはっきりさせるためである。これは組織としての責任の所在も明らかにする。これがないと組織は成り立たない。なぜか?組織として一つの価値を社会に提供するには、組織自体も一つの価値観を持たないといけないからである。しかし、人間は一人一人考えが違う。組織の中で一人一人がそれぞれ違うことを言っていたのでは、一つの価値に絞ることもできないし、組織としても動かない。それぞれが異なる方向へ向かうからである。だからこそのピラミッド型なのである。

今の日本は民主主義という一つの価値観を表す社会システムになっている。第二次世界大戦中は、ファシズムという価値観を表す社会システムになってただろう。江戸時代は江戸時代の価値観を表す社会システムになっていた。一つなんだよ。たった一つ。

しかし、我々人間は一つの事実に対して、いろいろな解釈ができる。これは、いろんな価値観を一つのものにつけることができるということだ。たとえ、社会的に受け入れられない価値観だとしても。

ここで、ドラマ中の人物を比較してみたい。自殺した川又と貝塚官房長である。二人はそれぞれ防衛庁を自分の人生においてどのように見てただろうか。二人の言動から推測してみたい。
川又:自分の夢をかなえる場。自分の活躍するステージ。まず、自衛隊ありき。
貝塚:自分の欲求を満たすために利用するもの。道具。どう使うかは自分で決める。まず、自分ありき。

とても対照的。ドラマでもよく対立してた。

私は、人間はそれぞれの生き方を追求して、それぞれらしく生きることが正しい在り方だと考える。それは、今は民主主義の時代だから、民主主義的な生き方をするということではなく、自分が社会主義が正しいと信じるならそう生きるということだ。生まれてきた場所や育った環境に依存するのではなく、その中でどう自分を貫くのかということである。

川又は、日本の防衛をしっかりしたいと夢をもっていた。なら、たとえ、自衛隊の中で閑職に飛ばされて、それが自衛隊ではかなえられそうにないと分かったなら、ほかの方法を考えてほしかった。当時、自衛隊はあったが、いろんな面でアメリカ軍の情報や軍事力にかなり依存していた。今もあまり変わらないとは思うが…。こういうことを考えると、アメリカ軍に入って日本を担当するとか、自分のできる範囲で、防諜などで自衛隊に貢献するとか、夢へ向かうステージを変えてもよかったんじゃないかなと思う。無意識に“組織”に依存していたんじゃないかなと思う。組織の中にいる自分からしか物事を考えられなかったんだろう。

一方、貝塚は、常に組織の外にいる自分から物事を見ていた。一人の人間として自分は何がほしいかという視点から物事を見てきたんだろうと感じた。だから、組織に埋もれることなく、いや、だからこそ、組織を利用するという発想ができる。決して社会学者のように社会の仕組みをわかった上で、この仕組みを利用したわけではないだろう。ただ、ひたすら社会的なものを脱ぎ捨てて、一個の人間として何を欲してるかを見失わなかった。そして、一応順調?なのかは分からないが、前に進んでいる。この生き方には、敬服する。なかなかこういう人は見当たらない。現実世界で。面白い。

以上が、冒頭の自分が人生の司令塔にならないといけないと感じた理由です。

また、“組織と個人”の問題で壹岐が苦しむことのヒントもここにあると思う。さっきも書いたが、壱岐は第二の人生の目的は何なのかということが定まってないために、いろんなことに振り回されるのではないか。壹岐は自分のしたいことをしているのだろうか。壹岐は、一人の人間として子供たちに何を教えられるだろうか。組織の中の一人として極めることが人生の目的なのか。それとも、一人の人間として、家族や友人とかけがえのない関係を築いていくことなのか。もしかすると、この二つのどちらかを選ばないといけないということを理解するための道程としての「不毛地帯」なのかも。

面白いよこのドラマは。いろいろ考えさせられる。楽しいね。
ありがとうございます。


不毛地帯 DVD-BOX 1


以上
またね***

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