2009年12月11日金曜日

キャリアの教科書(食べる読書12)



キャリアの教科書
」 PHP研究所 佐々木 直彦 著

キャリアについて書かれた本。キャリアは、雇われる力(エンプロイアビリティ)へつながるものである。この時代、どんなビジネスマンでも雇われる力が求められているという考えから、雇われる力をどうやって養うかということを書いてある。

これまで人生の道はどんな集団に所属するかに焦点が当てられていた。が、時代は、集団自体が危うくなってきている。なのに、人々の人生設計の基本的思考は、相変わらずどんな集団に属するかのままだと日ごろ感じてた。だから、みんな将来が見えない暗い顔になってる。若者や子供は自分の将来に希望をなかなか見いだせてない。新しい考え方が求められている。

この本は、その新しい考え方のヒントを与えてくれるものであると思う。

具体例があり、実感として腑に落ちる部分があると思う。そして、一貫しているのが、基本は“自分自身”ということだ。何を、どんな仕事をするにも“自分”が出発点だし、その結果に対して評価するのも“自分”なのである。


キャリアの教科書


この“自分”とは何か?これを意識レベルで理解する道具としてこの本では、「五つの質問」を挙げている。
  1. 自分は何ができるのか
  2. 自分は何をしてきたのか
  3. 自分は何をやりたいのか
  4. 自分はなぜそれをやりたいのか
  5. 自分の人生をどのようなものにしていきたいのか
の五つである。
これは、”柱”である。人生の。ここから漏れることをしているということは、方向性が異なることをしている。それは、仕事をするうえで、周囲の人からの信用を失うことへとつながっていくだろう。なぜなら、人を説得するにはこの“柱”をもとに話すほうが周りの同意を得やすいからである。まず、ここをしっかりぶれないようにする。
次に、キャリアを切り拓いていく三つのワークを紹介している。
  • フィールドワーク(現場で実践する)
  • コンセプトワーク(考える)
  • ネットワーク(人とつながる)
これらは相互に関連しているので、一つのものを高めると他の二つも効果が上がっていく。
この三つは日常生活で活用できるので、日々の指針にできる。
・フィールドワーク
自分の能力を高め、活躍する場がないと、いくらぶれない軸をもっていても意味がない。フィールドワークは、その“場”をつくりだすことである。「長期的なビジョンを実現させるために、仮説として当面のゴールを設定し、そのプロセスを一つのフィールドワークとしてデザインして行動を起こすことは、エンプロイアビリティを創造するために非常に有効な方法といえる。」
・コンセプトワーク
自分を知ることである。人は生きていくうえで、環境の変化・立場と役割も変化していく。「歌がすきで歌手になった人も、成功すればするほど、純粋にうたう能力だけでなく、プロモーションでラジオに出たり、雑誌の取材を受けたり、いきなりレポーターにマイクを向けられたときにファンを前に気の利いたコメントをいわなくてはいけないということが起きる。そうしたことをこなして初めて、好きな歌を歌い続けることができるという面があることは否定できない。」自分がどんな人間かが定まっていれば、環境や立場、役割の変化にもおのずと果たすべきことが見えてくる。「いつも自分らしくあり続けようとし、自分が自分とかわした一番大切な約束を守り続けていく。だからこそ、状況に合わせて、変えるべきでない自分の大切な部分以外の自分を変えることをいとわない。」
・ネットワーク
自分にはやりたいことがある、果たすべきことがある。そんなとき、必要な出会いを自分で作り出すことができるのはとても重要だ。その際にするのが“自己表現”だ。「”何をやりたいか”も、過去から現在に至る中に、なぜそれをやりたいと思うようになったかという腑に落ちる理由があれば、相手は納得できる。そういう説明ができることで、相手は、現在の自分を評価してくれ、未来の自分に期待して支援してくれる可能性も出る。」しかし、自分のことだけ話すのでは人脈はできない。相手の話も聞き、お互いにとって利があるなら、行動していくことだ。「プレゼントは一方的なものではない。もともとプレゼンは、相手の協力のもとに、ある目的をはす為のコミュニケーションだと考えたほうがいい。」
夢はあるが、今何をすればわからない時。ふと気がつくと自分は何をしてきたのか、何を求めてたのか、わからなくなった時。この本を手にすることで気づくことがあるし、やることも見えてくるだろう。まだまだすべてを理解するには至らない。「プロデュース能力」同様、実行しつつ見返す本だと思う。
なんか、目の前が開けてきた感じはした。どんな考えのもと将来を見るのか。それを勝ち取るために何が必要か。夢や希望、自分の可能性を信じられる本です。ありがとうございます。


キャリアの教科書


以上
またね***


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