2011年7月23日土曜日

日常の疑問を経済学で考える(食べる読書33)





コーネル大学であるレポートの宿題が出された。


レポートの課題は、


「あなたが観察した出来事や行動パターンについて疑問を提示し、授業で学んだ原則を一つまたは複数用いて解答しなさい。」



レポートは短く、難しい専門用語は使わないようにという指示のもとに。




この学生たちのレポートを集めて少し解説を加えたのが本書。




これはアメリカでの日常の疑問に対してなので、すぐ日本に適用できるかどうかが引っかかりはする。また、あくまで学生の考えなので、時たま「ん?」となるようなレポートも見られる。




しかし、あらゆる疑問に対して経済学で挑むということで、われわれの日常の言動の裏にはどんな原理が働いているのか、本書を読み終えた時点ではそんな洞察力がついた気がする。



ほんとに多くの疑問とそれに対する考察が載っている。その一部を紹介したい。




製品設計は、消費者を満足させるための形状と、競争力を保つために価格を抑える必要性とのトレードオフで決まる。


・他の家電製品と違い、ノートパソコンがどの国の電圧でも使えるのはなぜ?

・ソフトドリンクの容器が円筒形なのに、牛乳の容器が直方体なのはなぜ?

・DVDとCDはディスクの大きさが全く同じなのに、パッケージサイズが異なるのはなぜ?





サービスの市場は、商品市場と同じく、需要と供給の原則に基づいて動いている。


・女性モデルが男性モデルよりもはるかにたくさん稼ぐのはなぜ?

・生産性の低い従業員には、貢献度より高い賃金が支払われ、生産性の高い従業員には、貢献度より低い賃金が支払われるのはなぜ?

・チップが必要なサービスと必要でないサービスがあるのはなぜ?




文化とは人々がさまざまな時や場面で直面する問題に適応してきた結果だという。幼児死亡率の高い文化では禁欲主義や超然とした態度が尊ばれるし、紛争の多い地域の文化では勇気が尊ばれる。国ごとの行動の違いを費用と便益の法則にあてはめて考える。


・携帯メールがアメリカよりもアジアの国々でより広く普及しているのはなぜ?

・アメリカに比べてドイツの失業率が高いのはなぜ?

・ローマでは歩行者が信号を無視すると罰金を課されるのに、ニューヨークでは課されないのはなぜ?




また、興味深かったのが行動心理学が焦点となる疑問に対しての考察。



・不動産業者が客に、安くて条件の良い物件を見せた後、さらにもう一つ似たような物件を見せようとするのはなぜ?


どちらも魅力的で、一方を選ぶと、選ばなかったほうを後悔するのではないかと思う。その場合、無関係のように思える第三の選択肢の出現が、決定に大きく影響する。





ヒトの選択は、個人およびグループのアイデンティティを確立したい、あるいは維持したいという心理的動因によってなされることが多いのが分かってきた。


・面ファスナーの靴を履く人が増えないのはなぜ?

・野球の監督がユニフォームを着ているのはなぜ?

・一車線の橋の上での社会的な礼儀が、非効率な結果につながることがあるのはなぜ?




いろんな考えに触れられて思考の幅が広がったかもぉ。



以上
またね***



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